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妻の配当金と夫の確定申告における配偶者控除について(後半)〜配当と売却損を 損益通算した場合

妻の配当金と夫の確定申告における配偶者控除について(後半)〜配当と売却損を 損益通算した場合
1.結論
妻の上場株式の配当所得が35万円で、その他の所得がないようでしたら、妻は確定申告する方が有利と思われます。

2.妻が確定申告し、同一年に生じた配当金と上場株式等の売却損を損益通算した場合

妻が上場株式の売却損と損益通算するため、上場株式の配当を申告分離課税により、確定申告したとします。その損益通算後の配当所得の金額とその他所得(不動産所得や雑所得など)の合計が48万以下となったとします。
この場合、夫の確定申告で、配偶者控除の適用ができます。

3.妻が過去から繰越してきた上場株式の売却損と上場株式の配当を通算する場合

過去から繰越してきた上場株式の売却損と
損益通算する前の所得で配偶者控除の適用有無を判定します。
つまり、今年の配当所得とその他の所得の金額の合計額が48万円以下である場合は、夫は確定申告の際に、配偶者控除を適用することができます。
過去の繰越売却損は配偶者控除の適用有無の判定には関係ないということですね。

4.妻の確定申告するかしないかの分岐点
配当所得が35万円で、その他に所得がない様でしたら、妻は確定申告するべきです。

《理由》
上記を前提として、妻が配当を確定申告した場合に、妻の所得税基礎控除は48万であるため、課税対象金額はゼロとなります(35万円➖48万)。
住民税の基礎控除は43万円のため、住民税についても所得割がゼロとなります。

これによって、配当受取り時に源泉徴収された税金約7万円(35万円✖️20.315%)が還付さることになります。

これに対して、妻が確定申告しない場合は、税金の7万円は返ってこないことになります。

5.お見逃しなく
そもそも夫の合計所得金額が1000万円超の場合は配偶者控除及び配偶者特別控除の適用はできません。