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《番外編》持株会社スキーム‼️銀行に騙されるな‼️

《番外編》銀行スキーム 持株会社化に騙されるな‼️

自社株式譲渡について多くの銀行が提案する
持株会社化。
理由は3つある
持株会社への自社株式資金取得のための融資
②先代経営者の株式の現金化により生じた税引手取額に対して金融商品提案
持株会社への不動産投資の提案をし、さら融資を拡大

あまり知られてないが持株会社化は、短期的に見れば相続税の増額になる。
理由は株式が現金になるためだ。
株式を売却せず、相続が発生した場合は、財産評価基本通達に基づいた株式の評価額が相続税の課税価格となる。
ところが先代経営者が持株会社に株式を売却する場合は所得税法上の時価により算定する。この所得税法上の時価相続税法上の時価より高額になることが多い
株式を現金化して間もなく相続が発生下場合は、相続税時価より高い所得税時価により売却した現金が相続財産となり、
持株会社化前よりも相続税額が増額する可能性が高い。
多くの金融機関より持株会社化の提案行われるが、短期的には相続税が増額することを説明する金融マンはいない。
事業承継や資産税に強い税理士に相談した上で、持株会社化の実行の有無を判断してもらえばいい。

なお、私見だが持株会社化のメリットは、相続税の納税資金の確保ができる点と考えられる。
相続税の財産のうちほとんどが自社株式や不動産の場合は、相続税の納税資金が不足することが考えられる。
この場合、相続した株式や不動産を持株会社に売却して納税資金を確保することが考えられる。
なお、相続発生後3年以内なら特例としてみなし配当の不適用や取得費加算も適用できる。
持株会社化は短期的には相続税の節税にならず、金融機関のお得意様となるだけだが、相続税の納税資金の確保の観点からは、有効なスキームと考える。