《番外編》令和3年度税制大綱 大企業向け 欠損金の控除限度額について
1.はじめに
従来、大企業は所得の50%までしか欠損金の繰越控除を適用できませんでした。
今回の大綱により一定の要件を満たせば所得の100%欠損金繰越控除控除を適用できるようになりました。
大企業とはざっくりいうと資本金1億円超の会社のことです。
ちなみに中小企業はざっくりいうと資本金1億円以下の会社です。
2.内容
青色申告書を提出する法人が、一定の期間内に産業競争力強化法の改正法の「事業適応計画」の認定を受けた場合には、特例対象欠損金額を、翌期以後、最大で5年間、欠損金の繰越控除前の所得の金額の範囲内で損金算入することができる特例制度が創設されます。
3.ポイント
①特例対象欠損金額に発生事業年度
→2年間(令和2年4月1日から令和3年4月1日までの期間内において生じた青色欠損金額)
②繰越控除対象事業年度
→5年間(令和4年4月1日から令和9年3月31日)
③控除対象欠損金額
→最大所得の100%
4.留意点
・デジタルトランスフォーメーション又はカーボンニュートラル等の投資金額を限度額として、欠損金の控除対象前の所得の判定内で最大100%控除可能。
ざっくりいうと、所得の50%超部分の欠損金の繰越控除を使用するためには、未利用の青色欠損金とデジタルトランスフォーメーション等の投資金額を比較して、どちらか少ない金額を、所得を限度に繰越控除できるということ。
5.お見逃しなく
中小企業に関しては、所得の100%繰越欠損金控除を適用できます。