ana-partners diary

税理士×社労士がフリーランス、サラリーマン向けの税金、労務情報をアップしています!

株式売却益や配当等が健康保険料に与える影響

株式売却益や配当等が健康保険料に与える影響



結論
株式売却益や配当等を確定申告する場合、給与所得者とその家族については、健康保険料に影響はありません。影響があるのは、国民健康保険後期高齢者医療制度加入者の健康保険料の額です。
健康保険料への影響を回避するには、所得税の申告と別に住民税の申告をする必要があります。


1 .給与所得者とその家族(いずれも75歳未満)

給与所得者の健康保険料は、給与所得者自身の月給と賞与の額に基づくため、株式売却益と配当があっても健康保険料の影響なしです。

2 .自営業や無職の方とその家族(いずれも75歳未満)
①健康保険料に与える影響
国民健康保険料の算定方法は、さっぐりいうと前年の所得金額✖️10%です。特定口座源泉徴収なしや一般口座内の株式売却益は確定申告義務があるため、申告することにより前年所得金額等が増加し、国民健康保険料も増加します。
ちなみに特定口座源泉徴収ありで株式売却益があっても、確定申告しない場合は国民健康保険料の額に影響はないです。

医療保険に与える影響 窓口負担
70歳以上から75歳未満の人の国民健康保険の加入者の医療費の窓口負担の割合は、原則2割負担です。
ただし、株式売却益や配当等を確定申告することで、所得が増加し、医療費負担割合が3割になる場合もございますのでご留意ください。

3. 75歳以上の人
①75歳以上の人が株式売却益や配当等を確定申告した場合における保険料に及ぼす影響は、2.①国民健康保険と同様です。

医療保険に与える影響 窓口負担
75歳以上の人の医療費の窓口負担割合は原則1割ですが、株式売却益や配当等を確定申告することで、所得が増加し、医療費負担の割合が3割になる場合もありますのでご留意ください。

4. 株式売却益と配当等から健康保険料の増加を回避する方法
所得税とは別の方法により計算した(株式売却益と配当等を除いた)住民税の申告書を別途提出することにより、健康保険料の影響を回避できます。

5. お見逃しなく
75歳以上の方はそれまで加入していた健康保険、国民健康保険から脱退して後期高齢者医療制度に加入します。
75歳以上の人は各自被保険者となり保険料を負担します。つまり今まで家族が加入していた健康保険者の被扶養者で自分自身で保険料を負担する必要がなかった人も、後期高齢者医療制度移行後は、負担能力に応じて自分で保険料負担します。